全国ニュースで寒波がもたらした大雪のニュースが流れる天候の中、宮城県の蔵王エコーラインの麓にある秘湯「我々温泉」に行ってきました。
『至福の湯宿』という温泉の本にここの宿の先代の社長が「アマンの支配人がうちを視察に来るのが目標です」と答えていた記事を読んで、いつか行ってみたいと思っていた宿です。この一言で、この温泉が目指す方向性と心意気がうかがえるというものです。
予約の際に、車が4駆か2駆かを聞かれ、2駆であれば、遠刈田温泉まで迎えに行きますというアドバイス(東北の人がこういう時は本気で聞いたほうがいいです)を受け、お迎えに来てもらいました。車を運転するのは白髪で、紫のパタゴニアのジャンパーを着た小柄なおじいちゃん。
金曜というのに、お迎えのバンは、年配のご夫婦で満席です。
普段は一人旅の私も、今回はさすがに大人の宿(それも日本の田舎)ということを考慮し、ふたり連れです。というか、一人では、こういう「心のスィッチオフにして」的な宿には行けません。スィッチオフにした瞬間、いらんわびしさが満開になりそうで。。。
予約したのは、8帖のお部屋。平日料金で15,000円です。
早速、チェックインをして、親切な宿のお兄ちゃんの案内にしたがい、パブリックスペースにある蛇口から冷たい源泉をペットボトルにつめて、男女別の内湯にレッツゴーです。

ここんちのお風呂は、源泉は1つ。胃腸に効くという無色透明の、割とさらっとしたお湯です。
ディープなお湯を求める方にはものたりないかもしれませんが、ほっこりと体の芯から暖まるいいお湯です。
内湯には、あつ湯とぬる湯という2つのお風呂があり、あつ湯には本当に熱くてはいれません。正方形のお風呂の枠にごろんと寝そべり、竹のコップというかひしゃくで、その熱い湯をすくって体にかけるというのが正当な入り方。できれば、かけ湯100回。
私は、ヨガでいうタンゼンの部分に、30センチぐらい上からとろとろとお湯をピンポイントでかけてみたのですが、これが本当に気持ちよくて、日常を忘れるぐらい、ブっ飛びます。
10杯もかけるとお腹全体が温かくなり、30杯ぐらいで足の先まで血流が流れ、体全体が暖まります。結局100杯ならぬ60杯で断念しましたが、この温泉の楽しみ方は目からウロコです。

内湯には露天風呂もついているのですが、屋根があって、半露天。ここんちの一番の名物の男女混浴露天は雪の為、冬期閉鎖だそうです。残念。
そのかわり、家族風呂/露天(貸し切り露天)に行ってみました。
露天へ通じるドアには長靴が並べてあり、下駄箱に部屋のスリッパがない時は人がはいっていないサインなので、長靴にはきかえて、露天貸し切りです。
とはいうものの、ニュースになるほどの大寒波。吹雪の中を横殴りの雪に吹きさらされて、ぬれた長靴で雪道を歩くのはかなりしんどい。

普段の天候であれば風流なのでしょうが、いかんせん、風風風&雪。お湯はすごくいいのですが、つかっている間に浴衣もタオルも、べしょべしょに。しかし、こういうのが、後から思い出して、いい思い出として残るんでしょうね。
ちなみに翌日は、吹雪の為、クローズの張り紙があり、ラストチャンスではいれてよかったです。
お食事は、部屋食ではなく、品のよいダイニングでのお食事。お料理は大満足。
お食事の後は、別館にある、これまた貸し切りの檜のお風呂に入りました。
個人的には、この檜のお風呂が大ヒット。
あわい光の中、2帖ぐらいの小さめのお風呂の中で、肩まではいって、今度は足湯にと、おしゃべりしながら、ペットボトルの源泉を飲んで、うざうざと30分ぐらいのんびりとはいっているだけで、本当にのんびりできました。

ここは日帰り入浴もやっているのですが、宿泊客のはいれるお風呂と日帰り客のお風呂をきっちり分けているんです。もちろん宿泊客はすべてのお風呂に入れるのですが、この檜の貸し切り内湯は日帰り入浴も可のお風呂だそうです。
翌日の朝は、前日と同様、猛吹雪。
前日にお迎えしていただいたバンに同じおじいちゃんに送ってもらいます。そこで気がついたのですが、このおじいちゃん、先代の社長だそうです。
帰り道、私たちのとめた車のところまで見送りに来てくれて、シートベルトしめている間、フロントガラスについた雪の固まりをなにげなく、素手でかきおとしてくれた社長。車が見えなくなるまで、笑顔で見送ってくださいました。
確かに、アマンとまではいきませんが、このおもてなしの心に、心もほっこりと癒された気分でした。
